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世田谷ポケットナーセリー

​空き庭を地域に開く

世田谷の空き庭の再生プロジェクトである。2020年現在、世田谷区は全国でも最も空き家件数が多い​。こうした空き家とともに放置されているのが庭である。たまたま知人の紹介で空き家の活用の相談にのったのが、このプロジェクトの始まりである。まずは建築の活用を検討したが、古かったこともあり耐震基準をクリアできず大規模な改修が難しかったことから、最初に庭の改修を行うこととした。

 公園が比較的少ない地域であったため、庭を公開し地域利用を促せるよう、既存の擁壁は壊し外から簡単にアクセスできるようにした。夜間のセキュリティなどもあり、庭の内外をゆるやか分けるため、イエ型のパーゴラを自主制作し、テイカカズラやアケビなどを這わせ、まちゆく人の休憩場所ともなればと考えている。また、計画地の前の道路はぎりぎり4m確保できているかどうかの狭い車道であったため、少しでも歩行者にとって安全な歩道空間を提供した。

 できる限り環境負荷を減らすため、工事で出るコンクリート廃材は捨てず、庭のかさ上げに使い、大きなゴミがでないようにした。また、車道沿いのブロックも利用されていなかった廃材を使ったものである。飛び石に使っている石やコンクリートも工事の際に地中から出てきたものなどを再利用したものである。

 世田谷に多くある空き庭が空き家とともに放置されてしまうのはせっかくのみどりがもったいなく、一時的であっても地域で利用できる施設として公開されればと願っている。

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上:着工前 下:壁を壊し廃材を下地材として転用

受賞|第28 回「緑の環境プラン大賞」国土交通大臣賞

竣工 | 2017年3月

規模 | 約50 m2(ガーデン面積)

住所 | 東京都世田谷区

内容 | ランドスケープ基本設計・実施設計・設計監理

施主 | 個人様

建築設計 | stereo-scope

施工| タツガワ園芸

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