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箕面の庭

竣工|2021.10.23
規模|
住所|大阪府箕面市
内容|個人住宅

​撮影|関拓弥
 

建築設計:マルアーキテクチャ

建築施工:コムウト

造園施工:ライズプランニング

生き物とともにあること

地域に根を下ろすことを考えたお庭です。

まちなかに川が流れる自然豊かな風景に、5人と何匹もの多種多様な生物が暮らす家族の家です。

外庭では、箕面の自然を感じられまた周りに飛び交う蝶や鳥、ヤモリなどの生き物も訪れるような植物に囲まれる計画になっています。

敷地にふった住宅の配置により、雁行した壁面に寄り添い、点在するように4つの小さな庭をつくりました。

まるで緑のパッチワークのように、ひとつひとつがちがう風景をつくり出し

見る場所や時期によって、小さくとも様々なシーンがたくさん生まれる庭になりました。

また、地域周辺の植栽だけでなく

エントランス周りに敷き並べた石は、箕面の山から採れたものだけを使用し、赤や茶色、など同じ色がひとつとない地域の"色"を取り込んだことで、植栽との統一感をはかりました。

夏には、お施主さんや、設計担当の方々とも

実際に圃場に足を運んでいただき

玄関周りのミツバツツジや、カブトムシを観察できるような立派なコナラ、奥さまの思い出のカツラなど、枝ぶりや大きさを見ながらいっしょに選ぶ機会がつくれたことが印象深く残っています。

造園施工担当の方々もとても細やかで、これまで見たことのなかった株立ちのヒサカキに出会えたり、高木の支柱をサルスベリでつくったりと、現場だからこそ学べたことがとても多くありました。

現場で実際に仕入れていただいたものをみながら、その特徴や枝ぶりを見つつ空間のつくり方を考える瞬間は、とても楽しくこの一年習っているお花の稽古の時間ととても通じるものがありました。

ただ純粋な豊かさを提案することはできても、そこから先に私たちの手を離れ、これから先の繰り返される毎日を庭とともに暮らしていくお施主さん達にとって、負担にならない範囲を考えることは

今回自分にとってとても大きな経験でした。

これから徐々に公共のお仕事をしていくなかでも、手を離れた先の理想と現実のバランスを見ながら、それでも自然とひととがどちらも豊かになっていけるヒントを探していきたいなぁと思います。

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